【ニコチン依存症のメカニズムの動画】
ここでは、喫煙により体内に取り込まれたニコチンが、脳内のニコチン受容体(α4β2ニコチン作動性アセチルコリン受容体)に結合し、神経終末からドパミンが放出される過程の動画を閲覧し、理解を深める。
(2)ニコチン離脱症状
離脱症状は、依存性薬物の長期使用後に摂取を中止した際に出現する不快な精神的あるいは身体的症状をさす。これらの症状は、薬物に特異的であり、ニコチン(あるいはタバコ)の離脱症状として、アメリカ精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引き」(DSM-IV-TR)では、不快または抑うつ気分、不眠、いらだたしさ、欲求不満、または怒り、不安、集中困難、落ち着きのなさ、心拍数の減少、食欲増加または体重増加があげられている(文献11)。その後、DSM-5が発表されたが、心拍数の減少が除かれた以外には大きな変更はない(文献12)。ICD-10のDCR研究用診断基準では、これらの症状のほかに、タバコ(または他のニコチン含有物)の渇望、倦怠感や虚脱感、咳の増加、口腔内の潰瘍形成、などがあげられている(文献13)。
これらのニコチン離脱症状のなかで頻度の高い症状には、イライラ、抑うつ、落ち着きのなさ、集中困難、食欲亢進、喫煙欲求がある。離脱症状の多くは、ニコチンの摂取中止後おおよそ2〜4週間程度で軽快するが、食欲亢進、喫煙欲求、便秘のように、4週以上にわたって持続するものもある(文献2,4)。
引用文献
2)McEwen A, Hajek P, McRobbie H, et al. Manual of Smoking Cessation. A Guide for Counsellors and Practitioners. 2006.
4)Royal College of Physicians. Nicotine addiction in Britain. A report of the Tobacco Advisory Group of the Royal College of Physicians. London. Royal College of Physicians. 2000.
11)高橋三郎, 大野裕, 染谷俊幸: DSM-IV-TR精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版,医学書院. 2007.
12)American Psychiatric Association. Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition. 2013.
13)中根充文, 岡崎祐士, 藤原妙子: ICD-10精神及び行動の障害 DCR研究用診断基準,医学書院. 2005.
ここでは、喫煙により体内に取り込まれたニコチンが、脳内のニコチン受容体(α4β2ニコチン作動性アセチルコリン受容体)に結合し、神経終末からドパミンが放出される過程の動画を閲覧し、理解を深める。
(2)ニコチン離脱症状
離脱症状は、依存性薬物の長期使用後に摂取を中止した際に出現する不快な精神的あるいは身体的症状をさす。これらの症状は、薬物に特異的であり、ニコチン(あるいはタバコ)の離脱症状として、アメリカ精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引き」(DSM-IV-TR)では、不快または抑うつ気分、不眠、いらだたしさ、欲求不満、または怒り、不安、集中困難、落ち着きのなさ、心拍数の減少、食欲増加または体重増加があげられている(文献11)。その後、DSM-5が発表されたが、心拍数の減少が除かれた以外には大きな変更はない(文献12)。ICD-10のDCR研究用診断基準では、これらの症状のほかに、タバコ(または他のニコチン含有物)の渇望、倦怠感や虚脱感、咳の増加、口腔内の潰瘍形成、などがあげられている(文献13)。
これらのニコチン離脱症状のなかで頻度の高い症状には、イライラ、抑うつ、落ち着きのなさ、集中困難、食欲亢進、喫煙欲求がある。離脱症状の多くは、ニコチンの摂取中止後おおよそ2〜4週間程度で軽快するが、食欲亢進、喫煙欲求、便秘のように、4週以上にわたって持続するものもある(文献2,4)。
引用文献
2)McEwen A, Hajek P, McRobbie H, et al. Manual of Smoking Cessation. A Guide for Counsellors and Practitioners. 2006.
4)Royal College of Physicians. Nicotine addiction in Britain. A report of the Tobacco Advisory Group of the Royal College of Physicians. London. Royal College of Physicians. 2000.
11)高橋三郎, 大野裕, 染谷俊幸: DSM-IV-TR精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版,医学書院. 2007.
12)American Psychiatric Association. Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition. 2013.
13)中根充文, 岡崎祐士, 藤原妙子: ICD-10精神及び行動の障害 DCR研究用診断基準,医学書院. 2005.