2.喫煙に対する認識の変遷 ― 習慣から病気へ
長い間、喫煙は個人の嗜好の問題であり、禁煙は本人の意思の問題であるととらえられてきた。しかし、1988年米国公衆衛生長官報告書“Nicotine Addiction”(文献3)において、喫煙の本質がニコチンに対する薬物依存症であることが結論づけられた。2000年の英国王立内科学会報告書「英国におけるニコチン依存」(文献4)では、ニコチンの使用中止の困難性はヘロインやコカイン、アルコールと同等と報告している。2000年の米国AHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)「たばこ依存治療ガイドライン」(文献5)においては、「ニコチン依存症は再発しやすいが、繰り返し治療することにより完治しうる慢性疾患である」と定義づけされた。わが国では2005年の9学会合同研究班による禁煙ガイドライン(文献6)において、喫煙は「喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)という全身疾患」であり、喫煙者は「積極的禁煙治療を必要とする患者」と述べられている。
長い間、喫煙は個人の嗜好の問題であり、禁煙は本人の意思の問題であるととらえられてきた。しかし、1988年米国公衆衛生長官報告書“Nicotine Addiction”(文献3)において、喫煙の本質がニコチンに対する薬物依存症であることが結論づけられた。2000年の英国王立内科学会報告書「英国におけるニコチン依存」(文献4)では、ニコチンの使用中止の困難性はヘロインやコカイン、アルコールと同等と報告している。2000年の米国AHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)「たばこ依存治療ガイドライン」(文献5)においては、「ニコチン依存症は再発しやすいが、繰り返し治療することにより完治しうる慢性疾患である」と定義づけされた。わが国では2005年の9学会合同研究班による禁煙ガイドライン(文献6)において、喫煙は「喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)という全身疾患」であり、喫煙者は「積極的禁煙治療を必要とする患者」と述べられている。
引用文献
3)US Department of Health and Consequences of Smoking. Nicotine Addiction: a report of the Surgeon General. US Department of Health and Human Services. DHHS Publication No.(CDC)88-8406, 1998.
4)Royal College of Physicians. Nicotine addiction in Britain. A report of the Tobacco Advisory Group of the Royal College of Physicians. London. Royal College of Physicians. 2000.
5)US Department of Health and Human Service: Clinical Practice Guideline-Treating Tobacco Use and Dependence. US Department of Health and Human Services, 2000.
6)日本口腔衛生学会,日本口腔外科学会,日本公衆衛生学会,日本呼吸器学会,日本産科婦人科学会,日本循環器学会,日本小児科学会,日本心臓病学会,日本肺癌学会: 禁煙ガイドライン(2010年改訂版).
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010murohara.h.pdf