前述の鈴木さんの事例で、OTC薬のニコチンパッチを使って禁煙したが、うまく禁煙ができなかった場合のフォローアップの方法について紹介します。
 ここでの支援のポイントは、鈴木さんが1日30本のヘビースモーカーであるため、OTC薬のニコチンパッチではニコチンの補給量が足りなかったこと、そのため、離脱症状を十分に抑えられず禁煙が続かなかったことを理解してもらうことです。その解決策として、禁煙治療のために医療機関の受診を勧めます。鈴木さんが禁煙治療を利用して、もう一度禁煙にチャレンジする気持ちになれるよう支援します。
 それでは、初回面接から2週間後のフォローアップの例をみてみましょう。



「禁煙実行・継続の支援フォローアップ 2週間後 禁煙できなかった場合(OTC薬編)」
保健師   鈴木さん、こんにちは。健診センターの保健師の佐藤です。今、4,5分ほどお電話よろしいです?

喫煙者   ええ、構いませんよ。

保健師  
その後たばこの方はどうですか。<喫煙状況とその後の経過の確認>

喫煙者   薬局でニコチンパッチを2週間分買って、すぐに貼ってみたのですが、薬を貼っていてもたばこが吸いたくて、吸いたくて、結局、禁煙は半日しかできませんでした。

保健師   そうでしたか。それも無理はありません。鈴木さんの場合1日30本吸われていましたから、薬局のニコチンパッチに高用量のものがないので、十分に禁断症状が抑えられなかったのだと思いますよ。先日ご紹介した禁煙治療では、薬局のパッチよりもう一回り大きなサイズの薬が使えますから、今と違ってかなり禁断症状が抑えられると思いますよ。今も、ニコチンパッチを使われているのですか。<禁煙が続かなかった理由の説明>

喫煙者   ニコチンパッチを使ったのは、最初の3日間だけで今は使っていません。パッチを貼りながら、たばこを吸ってはいけないと薬には書いてありましたので、使っていません。たばこの本数だけでも減らそうと思って、今は1日20本くらいしか吸わないようにしています。

保健師   1日20本にしていらっしゃるのですね。今もたばこを吸われているのでしたら、医療機関で禁煙治療を受けてみられたらどうですか。<禁煙治療の勧め>

喫煙者   受けたいのはやまやまですが、なかなか平日に仕事を抜けて、病院に行くことができなくて。

保健師   診療所でしたら、夜間や土曜日も禁煙外来をやっているところがありますので、それを利用されたらいかがですか。そうですね。土曜日なら受診しやすいのではないですか。前回お渡しした医療機関のリストはまだお手元にありますか?

喫煙者   ええ、持っています。まずは、受診するクリニックを決めて、早速受診するようにします。ありがとうございました。

保健師   また2週間後にお電話させていただきます。<次回フォローアップの確認>受診にあたってわからないことがあればおっしゃって下さい。



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