受動喫煙に関する情報提供として、「受動喫煙に関する健康影響の説明」と、「受動喫煙を避けるためのアドバイス」、の2つに分けて紹介します。

 1)受動喫煙に関する健康影響の説明
  家庭でほぼ毎日受動喫煙を受けている山田さんに対して、受動喫煙による被害の大きさを知ってもらい、問題意識を持ってもらうことが重要です。


ケースV「受動喫煙に関する健康影響の説明」
保健師   山田さんはたばこを吸われていないですね。それはとても素晴らしいことです。たばこを吸わない人が他人の煙でどのくらい体に悪い影響を受けているかご存知ですか?

非喫煙者   たばこを吸わない人が肺がんになるって聞いたことがあります。

保健師  
肺がんだけではないのです。たばこの煙には5000種類以上の化学物質、70種類の発がん物質が含まれています。国の報告書によると、受動喫煙が原因で、脳卒中、虚血性心疾患、肺がん、乳幼児突然死症候群の病気で年間1万5千人が死亡していると推計されています。

非喫煙者   毎年そんなに多くの方がたばこで命を落としている事は、知りませんでした。

保健師   受動喫煙は、喫煙者がたばこを吸わない人を傷つける行為なのです。たばこは、マナーの問題ではなく、有害物質としての規制が必要なものと考えましょう。


 2)受動喫煙を避けるためのアドバイス
  喫煙者の夫はベランダや換気扇の下でたばこを吸っているので、受動喫煙対策はできていると考えている山田さんに対して、いずれの方法でも完全にたばこの煙を防ぐことができないことを理解してもらいます。理想的な解決策として、ご主人が禁煙を達成できるように禁煙治療に関する情報提供を行い、ご主人と家で相談してもらうように伝えます。


ケースV「受動喫煙を避けるためのアドバイス」
保健師   山田さんは家で「ほぼ毎日」たばこの煙を吸う機会があると回答されていますが、どなたがたばこを吸われているのですか。

非喫煙者   主人です。たばこの臭いが嫌なので、ベランダで吸ってもらっています。ただ、寝る前や朝起きた時などは台所の換気扇の下でよく吸っています。

保健師  
ベランダで吸っても、窓の開け閉めの際にどうしても室内にたばこの煙が入ってきてしまいます。また換気扇の下で吸われても全ての煙が外に出るわけではないので、有害物質が室内に残ってしまいます。

非喫煙者   ということは、ベランダや換気扇も対策としてダメってことですね。私だけでなく、子供の健康にも影響が出るのはとても心配です。

保健師   大切なお子さんと奥さんの命を守るために、ご主人には禁煙をしてもらいたいですね。一度ご主人に相談してみてはいかがですか。ご主人の体のためにも家族のためにも禁煙してほしいという気持ちを伝えてみましょう。今は、健康保険で禁煙治療が受けられますので、比較的楽に確実にお金もかけずに禁煙できると思いますよ。

非喫煙者   わかりました。家で相談してみます。

保健師   禁煙治療についてさらに詳しくお知りになりたい時は、保健センターまでお電話ください。



ページトップへ戻る