ここでの支援のポイントは、禁煙が安定してきたことを確認し、禁煙が継続できていることをほめることです。また、禁煙して食事がおいしくて体重が増えたという鈴木さんに対して、体重コントロールの方法を話し合います。
 それでは、初回面接から1ヵ月後のフォローアップの例をみてみましょう。





「禁煙実行・継続の支援 フォローアップ 1ヵ月後(禁煙治療編)」
保健師   鈴木さん、こんにちは。健診センターの保健師の佐藤です。今、4,5分ほどお電話よろしいです?

喫煙者   はい、大丈夫です。

保健師   その後たばこの方はいかがですか。<喫煙状況とその後の経過の確認>

喫煙者   禁煙していますよ。薬も飲んでいますし、最近はたばこを吸っていたことを忘れそうになっている自分に驚いていますよ。

保健師   それはすごい進歩ですね。たばこを吸わない生活になれてこられた証拠ですね。<禁煙に対する賞賛>

喫煙者   ええ、自分でもびっくりしています。最近は、たばこの煙がくさくて、喫煙者の側に近寄らないようにしています。以前は自分もこんな嫌な臭いをさせていたのかと思うとぞっとしますね。

保健師   禁煙ができて安定している証拠ですね。本当によかったですね。

喫煙者   ええ、ただ禁煙できたのはとても嬉しいのですが、禁煙してから、食事がとてもおいしくて、ついつい食べ過ぎてしまうのです。禁煙前に比べると2kg増えてしまいました。

保健師   禁煙後の体重が増加しやすいのは禁断症状として食欲が増すためと、ニコチンの作用がなくなって基礎代謝が低下するためといわれています。<禁煙後の体重増加の理由の説明>

喫煙者   確かに禁煙前に比べると食事の量が増えていると思います。最近は、お酒の量も増えてしまって、それも体重が増えている原因かもしれません。

保健師   なるほど、心当たりはおありなのですね。鈴木さん、体重をあまり増やさないためにできそうなことは、何かありませんか。<禁煙継続のための問題解決カウンセリング>

喫煙者   食べる量を減らすようにします。

保健師   何をどのくらい減らせそうですか。

喫煙者   ご飯とおかずの量が以前より、かなり増えてしまっているので、それを前と同じぐらいになるように気をつけます。

保健師   いいですね。それでも体重が増えてくるようなら、肉類や油料理などの高エネルギーのメニューを減らしたり、お酒の量を減らしたりするのもお勧めですよ。<体重コントロールの方法のアドバイス>

喫煙者   お酒は、飲み出したら結構飲んでしまうので、なかなか減らすことは難しいですね。

保健師   では、休肝日を作るのはどうですか。1週間に1回でもお酒を飲まない日を作ってみませんか。翌朝の目覚めもさわやかで、気持ちよく1日をスタートできますよ。

喫煙者   休肝日は考えたことがありませんでした。できるかどうか自信はありませんが、少し考えてみます。

保健師   今日は、体重のことをたくさんお話しましたが、鈴木さんが禁煙された効果は少しぐらいの体重増加では比べられないくらい健康改善効果の大きなものです。<体重増加のリスクと比較した禁煙によるメリットの説明>禁煙は、これからも続けながら、体重が増えないように取り組んでみてください。 これからも鈴木さんの禁煙を応援していますね。

喫煙者   ありがとうございます。禁煙は絶対続けようと思いますので、よろしくお願いします。

保健師   じゃ、次回は1ヵ月後にまたお電話させていただきます。




ページトップへ戻る