<新型たばこに関する情報提供について>
 新型たばことして、大きく2種類の製品が国際的に流行しています。一つが、たばこの葉を加熱して吸引する加熱式たばこ(heat-not-burn tobacco)です。もう一つは、ニコチンを含んだ溶液を加熱吸引する電子たばこ(e-cigarette)です。
 加熱式たばこは、たばこ事業法の下でのたばこ製品の1つです。大手たばこ会社によって製品が開発され、わが国において先行発売されたため、急速に流行し始めています。一方、ニコチンを含んだ電子たばこは、英米等の諸外国で流行していますが、わが国においては、医薬品医療機器等法の承認を得ずに発売することが禁止されているため、主に個人輸入の形で入手したものが使用されています。ニコチンを含まない電子たばこについては、規制する法律がなく、わが国で広く販売されています。
 これらの新型たばこの長期使用に伴う健康影響については、まだ使用が開始されてからの年月が短いため、明らかではありません。しかし有害成分の分析結果から、加熱式たばこから発生する化学物質の種類は、紙巻たばこと比べほぼ変わらないものの、ニコチン以外の化学物質の量は少ないという学会報告があります。一方、電子たばこについては、紙巻たばこと比較して、一部の有害成分が多く含まれるとの報告がありますが、ニコチン以外の化学物質の量ははるかに少なく、周囲への有害物質の曝露も同様に小さいことが報告されています。
 英国公衆衛生庁や英国王立内科学会は、電子たばこの使用は紙巻たばこと比べて約95%害が少なく、紙巻たばこの使用を中止する効果があることから、紙巻たばこをやめたい、またはその健康影響を減らしたい喫煙者にむけて、禁煙補助薬と並んで積極的な電子たばこの使用を勧めています。しかし、加熱式たばこについては、たばこ会社からの報告はあるものの、国際的なエビデンスが少なく、電子たばこと同様の効果があるのかどうか明らかではないのが現状です。
 わが国において加熱式たばこを中心に流行している背景には、紙巻たばこに比べて害が少なく、周囲への受動喫煙を低減できるという喫煙者の期待があると考えられます。しかし、たばこに含まれる有害物質の曝露に安全域がないこと、紙巻たばこと併用した場合には健康影響の十分な低減を期待できないことから、新型たばこを単独で使用している場合であっても、それをゴールとするのではなく、最終的にはその使用も中止するよう、情報提供や支援を行うことが重要です。

<短時間の禁煙アドバイス−お役立ちセリフ集>
 健診をはじめ各種保健事業の場における短時間の禁煙アドバイスの例を示します。それぞれの事業の場で喫煙者に禁煙の声かけをする際の参考にして下さい。



 

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