(4)禁煙治療終了時に禁煙できなかった患者への対応
 12週間の治療で禁煙できなかった患者への対応について以下に示す。禁煙開始が遅れ、禁煙が安定していない患者や、まだ喫煙しているが治療を続ければ最終的には禁煙できるという患者に対しては、本人が希望すれば、禁煙治療を継続することが望ましい。この場合、高血圧や糖尿病など他の疾患で病院に受診する機会が定期的にあれば、それを活用するとよい。そういった機会がない場合は、ニコチン依存症管理料は算定できないが、診察を受けてもらうことは可能である。また、自由診療で禁煙治療を続けていくのも選択肢の一つである。
 大切なことは、禁煙をあきらめないことと、患者がいつかは禁煙できることを信じることである。今回の治療がうまくいかなくても、治療を繰りかえして行うことで、成功する可能性はある。決してあきらめずに禁煙を続けるよう、患者に伝えよう。
 なお、精神疾患の患者など禁煙が難しい患者に対する禁煙治療の実際については、このあとの実践編で学習する予定である。


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