それでは、ここで禁煙して1ヵ月時点の禁煙を継続している患者がよく感じる質問と回答についてまとめた動画をみてみよう。


出典:ファイザー治験ビデオ「ロールプレイで学ぶ禁煙治療のためのカウンセリング」

(4) 禁煙補助剤の選択と説明
 ニコチンパッチの標準処方スケジュールは8週間、バレニクリンは12週間であるが、禁煙補助剤がなくなると禁煙できないのではないかと不安になる患者もいる。処方を終了する際には、薬なしで禁煙できるかどうか、患者の自信や禁煙継続への気持ちを確認して決定することが重要である。

医師のセリフ例を示す。
◆ 「ニコチンパッチは、予定通りこれで終了となります。明日からニコチンパッチなしで禁煙して頂くことになりますが、いかがですか。」
◆ 「ニコチンパッチは、これで終了することになりますが、禁煙治療は続けて受けて下さいね。禁煙の効果や体重など確認させて頂きたいことがありますので、次回の最後の治療は受けて下さいね。」
◆ 「〇〇さんはお薬があったから禁煙できたとおっしゃいますが、これまで吸いたい気持ちが起きたときに様々な工夫をして吸わないことを選択してきたのは〇〇さんご自身です。お薬がなくなってもこれまで同様、一つ一つの場面で工夫して吸わないでいられると思いますよ。」

(5)再喫煙してしまった患者への対する対応
 禁煙できたにもかかわらず、再喫煙をしてしまった患者への対応については、まず、患者を責めないことが重要である。再喫煙した場面を設定し、その場面でどのようにしたら吸わないでいられたか患者と話し合い、具体的な対処法を考える。禁煙治療は、1年に1回しか保険で受けることができない。貴重なチャンスを最大限に活用して、最後まであきらめずに禁煙にチャレンジしてもらうことが重要である。

下記にアプローチの手順を示す。
 @失敗ではなく、よい経験をしたと考える。
 A禁煙補助剤を正しく使っているかどうかを確認する。
 B吸ってしまった原因ときっかけを知り、その対策を練る。
 C禁煙成功者も何度か失敗を経験していることを伝える。
 Dあきらめないで、再度チャレンジする。


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