(5)ニコチン依存のない喫煙者よりもニコチン依存のある喫煙者で精神疾患との関連が強い
非喫煙者に比べてニコチン依存のある喫煙者はうつ病になるリスクが高く、ニコチン依存のない喫煙者と比べてもニコチン依存のある喫煙者は不安障害になりやすい。
非喫煙者に比べてニコチン依存のある喫煙者がうつ病になるオッズ比(95%信頼区間)は2.9(1.9−4.5)、ニコチン依存のない喫煙者では1.1(0.6−1.8)であった(図表8)。また、ニコチン依存のある喫煙者が不安障害になるオッズ比(95%信頼区間)は2.4(1.7−3.5)、ニコチン依存のない喫煙者では1.4
(1.0−2.0)であった。
(6)精神疾患があるとニコチン依存症になりやすい
うつ病患者がニコチン依存症に移行するオッズ比(95%信頼区間)は2.2(1.4−3.4)、 広場恐怖症患者では1.8(1.1−2.9)と有意に増加した(図表9)。
(7)精神疾患患者の喫煙は基礎疾患に影響を与える
喫煙する精神疾患患者においては、非合法薬の使用が多い・治療コンプライアンスが悪い・GAFスコア(Global Assessment Functioning score:機能の全体的評定尺度)が低いとされる(図表10)。