(3)精神疾患患者にタバコについての正しい情報を提供すると多くは禁煙に興味を持つ(図表5)



 ニコチン依存症治療の保険適用により、禁煙治療を希望する精神疾患患者は増加している。ニコチン依存症管理料による禁煙治療の効果等に関する調査報告書(平成29年度調査)によると、ニコチン依存症管理料算定開始時点における治療中の合併症ありと答えた者のうち約15%が精神疾患を合併していた。保険で禁煙治療を受けられる精神科医療機関は非常に少なく保険で禁煙治療を受けられる身体科医療機関を受診していると考えられた(図表6)。禁煙外来に精神疾患患者が受診されることがあるので、基本的な考え方や治療の方法を知っておくことは重要である。


(4)喫煙は精神疾患を引き起こしやすい
毎日喫煙はうつ病、気分変調症、パニック障害、広場恐怖症、アルコールや薬物乱用または依存症の明らかな予測因子である。非喫煙者に比べ、喫煙者がこれらの精神疾患を発症するオッズ比(人種、性、年齢、教育、発症年などで補正)はパニック障害の2.6(95%信頼区間 1.2−5.4)から広場恐怖症の4.4(95%信頼区間 2.3−8.2)であった(図表7)。




前へ 1 2 3 4 5 次へ 2/17
ページトップへ戻る