(5)妊産婦の喫煙は、胎児、出生児に深刻な影響を与える
妊婦が喫煙すると低体重児が生まれやすくなるだけでなく、流産、子宮外妊娠、早産、妊娠・分娩合併症、乳幼児突然死症候群などのリスクが増加する(図表6)。また出生後も受動喫煙により子どもの肺炎などの呼吸器感染症、急性中耳炎などの中耳疾患、乳幼児突然死症候群、肺機能低下などのリスクが増加する。そのほか、まだ十分なエビデンスはないが、妊婦の喫煙により、生後の発育・発達の遅延、注意欠陥多動性障害(ADHD)、行為障害(非行や犯罪を繰り返す反社会的人格)、肥満、糖尿病のリスクが高まることが報告されている。
妊婦がタバコを吸わなくても周囲の喫煙によって低出生体重や早産のリスクが増加することが明らかにされている。
※ 妊娠中の喫煙の影響についての参考資料
資料1.喫煙が胎児・妊娠・出産に影響を及ぼすメカニズム
資料2.喫煙本数に比例してSFDのリスクが高まる
資料3.妊娠中の喫煙は周産期死亡や妊娠合併症のリスクを高める
資料4.授乳中の喫煙は母乳の分泌量を減少させる
資料5.夫の喫煙だけでも低体重児のリスクが上昇する
資料6.親の喫煙によりSIDSのリスクが高くなる
資料7.親がタバコを吸うと乳児の肺炎・気管支炎が増える
資料8.妊婦が喫煙すると子どもの知的能力が下がる
資料9.妊婦が喫煙すると子どものADHDのリスクが高くなる
資料10.妊婦が喫煙すると子どもの成人後の暴力犯罪が増える