禁煙できなかった患者への対応
 禁煙できなかった患者に対しては、どうしたら患者さんが禁煙できるのかを前向きに検討する。まず、禁煙できなかった理由や問題点を聞き出し、それについて話し合う。まだ禁煙治療は始まったばかりであること、これから禁煙しても遅くないことを伝え、禁煙するために必要な対策を一緒に考える。なお、禁煙できなかった理由に禁煙補助剤の使用方法が間違っていることも考えられるので、使用方法についても十分な確認が必要である。

下記に医師のセリフ例を示す。
◆ 「●●さん、そんなに落ち込まないで下さい。とにかく今日はよく来てくれましたね。
  この2週間の状態をもう少し詳しく聞かせて下さいませんか。」
◆ 「一旦禁煙できたけれど、職場でもらいタバコをしてしまって、それから1日5本から10本吸っているということですね。でも、あなたが禁煙に踏み出されたこと、もらいタバコをするまでは1本も吸わずに禁煙できていたことは、もう一度禁煙を開始するのに活かせる素晴らしいことですよ。これからどうしたらいいのか、一緒に考えませんか。」
◆ 「●●さん、職場でのもらいタバコを防ぐために、どんな対策をたてておくとよいと思いますか。」
◆ 「タバコを吸われてからは、ニコチンパッチは使っていらっしゃらないようですが、例え今回のようにもらいタバコで1,2本吸ってしまうことがあっても、それ以上タバコを吸わないためにニコチンパッチはそのまま剥がさずにきちんと使ってもらうことが重要なんです。ニコチンパッチを使っていないとタバコを吸いたい気持ちが強くなりますからね。」
◆ 「いざ禁煙を始める日になると、不安になってなかなか禁煙に踏み切れなかったということですね。●●さんの場合、タバコを吸い始めて30年以上ですから、それを止めると考えると確かに不安な気持ちになられるかもしれませんね。まずは、練習のつもりでやってみませんか。それがうまくいけば禁煙を続けてもらえばいいわけですし、何か問題があれば私達で相談にのりますから、まずは1歩を踏み出してみませんか。」

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