短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ

H肺がん検診にきた高齢者。咳が気になる。
1日の喫煙本数20本。禁煙に関心はあるが、6ヵ月以内にやめようと思っていない。今さらやめてもむだだと思っている。禁煙経験数回。自信は低い。
【重要性を高めるアドバイス】
咳が気になって検診に来られたのですね。禁煙すると咳や痰は1ヵ月程度で軽くなることが多いですよ。何度か禁煙に挑戦されてがんばっておられますね。何歳で禁煙しても効果はあります。プラスです。呼吸が楽になり、より健康的な生活が送れるようになり、認知症や寝たきりになりにくくなりますよ。

【禁煙のための効果的な解決策の提案】
「禁煙は無理」と思い込んでいませんか?禁煙に成功された方の多くは数回の挑戦を経験されています。今回は禁煙外来を受診して、一生涯の禁煙を目指しませんか?お薬と専門家のカウンセリングで、タバコなしでもやっていける自信を持てるようになりますよ。

≪解説≫
この対象者の喫煙ステージは前熟考期の中でも関心期です。禁煙に関心はあるものの、まだ準備性は十分高まっていないため、禁煙の重要性を高めることが大切です。高齢の方は、「今さら禁煙しても手遅れ」とか「そんなに長生きしなくても、ぽっくり死ねればいい」と言う方もおられ、対応に苦慮することがあります。喫煙を続けると認知症や寝たきりになりやすく、寝たきりの期間も長くなる場合が多いことを情報提供すると、禁煙する動機が高まることが期待されます。