短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ
D特定保健指導にきた男性。メタボリックシンドロームに該当。 1日の喫煙本数20本。タバコを6ヵ月以内にやめたいと思っているが、体重増加が心配で踏み切れない。禁煙経験なし、自信は低い。 |
○○さんは、今回の健診でメタボリックシンドロームに該当しています。メタボリックシンドロームになっている人がタバコを吸うと、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増大するといわれています。びっくりされるかもしれませんが、実はタバコはメタボの原因にもなるのです。 ですから、今の時点で禁煙を開始することは、○○さんの健康にとって非常に重要なことですよ。
【禁煙のための効果的な解決策の提案】
体重増加が気になって禁煙に踏み切れないようですね。禁煙すると確かに体重増加がみられますが、その後にきちんと体重コントロールを行うことで、体重増加を抑制することができます。禁煙のお薬を使うのも効果があります。体重のことも一緒に相談に乗りますから、まずは禁煙を始めてみませんか?
≪解説≫
喫煙ステージが熟考期にあり、禁煙したいと思いながら、禁煙後の体重増加が心配で禁煙に踏み出せないでいる喫煙者です。そこで、本人が心配している禁煙後の体重増加とその対処法についてアドバイスをして禁煙に踏み出せるよう支援します。メタボリックシンドロームの対象者に対して禁煙支援を行うことは、体重増加の観点から逆効果ではないかという訴えが多くあります。しかし、喫煙しているとメタボリックシンドロームになりやすく、またメタボリックシンドロームに喫煙が重なると、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが特に増加することから、禁煙支援の必要性は高いといえます。禁煙のメリットは体重増加のデメリットをはるかに上回ること、禁煙補助剤を使ったり、禁煙安定後に体重コントロールを行うことで体重をあまり増やさずに禁煙できることを伝え、自信の強化を行いましょう。