短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ
A4ヵ月健診に来た母親。出産直後のみ母乳栄養、その後人工乳。他に子どもなし。1日の喫煙本数15本。禁煙することに関心がない。妊娠中は禁煙していたが、出産直後に再喫煙。禁煙の自信は低い。 |
妊娠中は禁煙をがんばっていたのですね。妊娠中のタバコが赤ちゃんによくないことを知っておられたからですよね。母乳をやめたのは何か理由がありましたか?お母さんのタバコは、赤ちゃんにどのような影響があるか知っていますか?かぜ・気管支炎・肺炎・喘息などはもちろん、くり返す中耳炎やアトピー性皮膚炎の悪化、赤ちゃんの突然死の危険が高まることもわかっています。赤ちゃんの目の前で吸わなければ大丈夫と思っていませんか?実は外で吸っても、タバコの有害成分は吐き出す息の中に十数分間出てくることがわかっています。初めての育児や家事のストレスで大変だと思いますが、タバコを吸うと「ニコチン切れ」でイライラするという余分なストレスまで抱えることになるのですよ。
【禁煙のための効果的な解決策の提案】
赤ちゃんと自分のためにやめたいと思った時には禁煙外来を受診するのがお勧めです。タバコを吸う生活から抜け出すための手助けが受けられますよ。
≪解説≫
この方は喫煙ステージが前熟考期の中でも無関心期なので、受動喫煙の赤ちゃんへの影響を正しく知ってもらい、禁煙への関心を引き出すことが重要です。たとえ屋外で吸っても、受動喫煙問題が解決できないことを知らせることは効果的です。ニコチン離脱症状が喫煙者のストレスの本体であることの理解が進めば、関心が一気に高まる可能性があります。