短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ

N健診でコレステロールが高かったために、要経過観察となった男性。健診から6ヵ月後の血液検査のために受診。
1日の喫煙本数20本。禁煙に関心はあるが、6ヵ月以内にやめようと思っていない。禁煙経験あるが1週間も続いていない。
【重要性を高めるアドバイス】
タバコを吸うと善玉コレステロールの値が低くなり、悪玉コレステロールが変性して動脈硬化が進むことがわかっています。やめたいという気持ちをお持ちのようですから、外来を受診した今が禁煙のチャンスだと思いますよ。禁煙経験もあるようですから、これまでの経験を生かして禁煙に取り組めばきっとうまくいくと思いますよ。

【禁煙のための効果的な解決策の提案】
これまでの禁煙経験から自力で禁煙するよりも禁煙治療を受けることをお勧めします。治療を受ければ、比較的楽に、確実に、しかも、あまり費用がかからずに禁煙ができると思いますよ。

≪解説≫
この対象者の喫煙ステージは前熟考期の中でも関心期です。禁煙に関心はあるものの、禁煙の準備性をさらに高めるためにコレステロールが高かったことを取り上げて禁煙の重要性を高めるアドバイスを行うことが大切です。また、過去の禁煙経験により、禁煙に対する自信が低下していることも考えられるので、禁煙治療について情報提供し、自信が高まるよう支援しておくのもよいでしょう。