短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ
M今回の健診で初めて血糖値が高くなった男性。再検査のための受診勧奨の目的で勤務先を訪問。仕事が忙しくストレスが高い。1日の喫煙本数20本。禁煙することに関心がない。 |
タバコを吸う人は糖尿病になりやすいといわれています。糖尿病になってしまうと心筋梗塞や脳卒中など合併症をいかに予防するかが大事になるのですが、喫煙はこの合併症を起こしやすくします。糖尿病が進行すると飲む薬が増えたり、食事の制限など、日常生活において様々な制限が必要になります。このようなことにならないためにも、今禁煙しておくことは非常に重要なことだと思いますよ。
【禁煙のための効果的な解決策の提案】
ストレスをためながらもお仕事をがんばられているんですね。今は禁煙を考えられないようですが、禁煙をしたいと思った時には、いつでもサポートできる体制でお待ちしていますから、ご相談くださいね。禁煙すると体重が増えて血糖値が高くなることを心配する方がおられますが、禁煙外来で禁煙の薬を使って禁煙すればそれほど体重が増えずにうまくいきますよ。
≪解説≫
禁煙の重要性を高めるアドバイスは、対象者の関心事や個別性に合わせて行いましょう。喫煙はインスリン抵抗性を高め、血糖を上げ、糖尿病発症のリスクを上げます。この対象者の喫煙ステージは前熟考期の中でも無関心期なので、喫煙と血糖の関連性から重要性を高め、将来にとってもできるだけ早期の禁煙が重要であるとアドバイスを行う一方、抵抗感情を高めないように現状のストレス環境を共感的にとらえ、禁煙のサポート体制があることを伝えておくのがよいでしょう。