短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ

⑬脳ドックにきた男性。受診のきっかけは父親のくも膜下出血。
1日の喫煙本数30本。禁煙することに関心がない。禁煙経験数回。
【重要性を高めるアドバイス】
お父様がくも膜下出血になられて、心配になったのですね。喫煙していると、くも膜下出血の危険が約3倍高まるほか、家族歴が加わると約6倍まで危険が高まることが知られています。また、脳梗塞になる危険性も大きくなります。脳ドックを受診するくらい心配されている一方で、くも膜下出血の大きな危険因子であるタバコを吸い続けているというのはどうでしょうか?

【禁煙のための効果的な解決策の提案】
禁煙には何度か挑戦したことがあるのですね。何度か挑戦されてもうまくいかなかったので、今度も難しいと思っていませんか?実は、禁煙もスポーツと同じように、練習を重ねると要領がわかってきやすいのです。これまでは「練習」、次が「本番」と考えてみませんか?禁煙外来がお手伝いをしますよ。条件が整えば保険でタバコ代より少ない費用で楽に禁煙できます。

≪解説≫
喫煙ステージが前熟考期の中でも無関心期の方です。そのため、喫煙がくも膜下出血や脳梗塞と密接に結びついていることについて情報提供し、禁煙の重要性を高める働きかけを行います。また、脳ドックを受けるほど脳の病気を心配しながら喫煙しているという矛盾に自ら気づいてもらうようにします。禁煙経験がある方は、これまでの禁煙挑戦を「失敗」ととらえていますので、その思い込みをかえて再度禁煙に前向きに取り組めるように支援することが大切です。