短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ
I肺がん検診にきた男性。咳が気になるが、毎年肺がん検診を受けているので、大丈夫だと思っている。1日の喫煙本数20本。禁煙することに関心がない。 |
毎年肺がん検診を受けていて、からだに気をつけておられるのですね。検診で「がんの早期発見」をするのはもちろん大切ですが、がんになってしまってから治療を受けるのでは大変ですよね。
【禁煙のための効果的な解決策の提案】
肺がんの最大の原因がタバコであることはよく知られています。これほど肺がんを気にしておられるのでしたら、早期発見だけでなく、最も効果的な肺がんの予防法である「禁煙」について考えてみませんか。今後禁煙したいと思われたら、禁煙外来の受診をお勧めします。あまり費用もかからずに、しかも楽により確実に禁煙できますよ。
≪解説≫
肺がんを気にしながら喫煙を続け、毎年肺がん検診を受けているという矛盾を拡大し、早期発見も大切だが、「禁煙」がより重要であることに気づいてもらいましょう。肺がんモデルやタールジャー(タールをビンに詰めたディスプレイ)などを使って、見たり触れたり実感してもらうことも動機を高めるのに有効です。喫煙のステージが前熟考期の中でも無関心期なので、禁煙したいと思った時のためにと前置きをした上で、禁煙外来の情報を一言だけ入れておくとよいでしょう。