短時間でできる禁煙の効果的な働きかけ

@4ヵ月健診に来た母親。母乳栄養。3歳の子どもがおり、小児喘息。 1日の喫煙本数20本。タバコを直ちにやめたいと思っている。妊娠中は禁煙していたが、出産直後に再喫煙。禁煙の自信は低い。
【重要性を高めるアドバイス】
妊娠中は禁煙をがんばっていたのですね。タバコを吸うお母さんの母乳には、ニコチンなどのタバコの有害成分が出てくることがわかっています。また、赤ちゃんが直接タバコの煙を吸う影響はとても大きくて、中耳炎や気管支炎をはじめ命に直接かかわる乳幼児突然死症候群にもなりやすくなります。外で吸っても受動喫煙はあります。禁煙はお子さん方とご自分への愛のプレゼントです。上のお子さんの喘息もよくなる可能性がありますよ。

【禁煙のための効果的な解決策の提案】
妊娠中に禁煙できていたことを思い出して、タバコ・ライター・灰皿などの喫煙用品を処分して、もう一度挑戦してみませんか?禁煙外来を受診して、吸いたくなった時の対処方法や生活パターンの見直し、吸いたくなる環境を変える方法などを相談するのが最もよい方法です。あなたならできますよ。

≪解説≫
授乳中の母親に、タバコの有害成分が母乳へ移行して児に悪影響を与えるということだけを強調すると、禁煙できなかった場合に授乳をやめてしまうことがあります。むしろ乳幼児にとって母親による受動喫煙の影響がとても大きいこともしっかり伝えましょう。 授乳中はニコチンパッチやニコチンガムは禁忌で、飲み薬のバレニクリンの安全性も確認されていません。この方は喫煙ステージが準備期ですが自信が低いので、妊娠中の禁煙成功体験を思い出してもらって自信を高め、禁煙外来を受診して支援を受けると禁煙成功率が高まることを知らせましょう。健康問題の専門家からの「あなたならできますよ!」という言語的説得も自信を高めるのに有用です。