日本禁煙推進医師歯科医師連盟
タバコ規制の取組み-国際的視点から-

 タバコが公衆衛生上問題となるのは、世界最大最強の企業のひとつであるタバコ会社の存在である。多国籍タバコ会社は、これまで、しばしば節操のないやり方で、タバコの広告宣伝、販売促進を行ってきた。タバコの害が明らかにされて成人男性がタバコ離れをすると成人女性を広告販売の対象とし、さらには未成年を対象として広告や販売促進を行い、発展国でタバコ離れが始まると発展途上国でタバコ販売を行っている。日本たばこ産業(JT)は、フィリップ・モーリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコに次いで世界第3位のタバコ会社であり、日本だけでなく、発展途上国や旧社会主義国などを対象として国際戦略のもとに海外においても多くのタバコを販売し、利益をあげている。
欧米先進国では喫煙による健康被害が確実となった1960年代半ばから、まず喫煙の健康影響に関する情報提供、次いで個人を対象とした禁煙支援と喫煙防止教育を実施し、さらに広告規制、禁煙場所の拡大、タバコ税引き上げなどの環境整備や法的規制を含む強力な対策を展開して、喫煙率の大幅な減少に成功し、これに伴って肺がんをはじめとする喫煙関連疾患による死亡率の減少という成果を挙げてきた。さらに、1999年以降は、国際的な協調のもと地球規模でタバコ規制に取り組むため、WHOの「たばこ規制枠組み条約」(Framework Convention on Tobacco Control , FCTC)の制定に取り組んできた(図表1)。FCTCは2003年5月の世界保健総会において全会一致で採択され、2005年2月27日に発効した。



FCTCは、「たばこの使用及びたばこの煙にさらされることの広がりを継続的かつ実質的に減少させるため、締約国が自国において並びに地域的及び国際的に実施するたばこの規制のための措置についての枠組みを提供することにより、たばこの消費及びたばこの煙にさらされることが健康、社会、環境及び経済に及ぼす破壊的な影響から現在及び将来の世代を保護すること」を目的(図表2)としており、主な社会環境整備・法的規制の内容として、タバコ規制のための調整機構・中核機関の設立(第5条)(図表3)、タバコ価格・税の引上げ(第6条)、受動喫煙の防止(第8条)、タバコの警告表示の強化(第11条) 、タバコ広告の包括的禁止(第13条)、禁煙治療の普及(第14条)、未成年者への及び未成年者による販売(タバコ自動販売機の制限を含む) (第16条)などがある(図表4)。






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