※喫煙ステージの分類について 
Q7の質問の回答結果により、禁煙の準備性を以下のように定義します。
・「禁煙に関心がない」または「禁煙に関心はあるが、今後 6 ヵ月以内に禁煙しようとは考えていない」:前熟考期 (注)
・「今後 6 ヵ月以内に禁煙しようと考えているが、直ちに(1ヵ月以内に)禁煙する考えはない」:熟考期
・「直ちに(1ヵ月以内に)禁煙しようと考えている」:準備期

(注)日本では前熟考期の喫煙者の割合が多いため、前熟考期を2つに分類して、「禁煙に関心がない」を無関心期、「禁煙に関心はあるが、今後6ヵ月以内に禁煙しようとは考えていない」を関心期とする場合がある。また、関心期と熟考期を合わせて広義の関心期(「禁煙に関心はあるが、今後1ヵ月以内に禁煙する考えはない」)と呼ぶ場合もある。ここでは、上述の前熟考期、熟考期、準備期の3分類を基本とし、必要に応じて前熟考期を無関心期と関心期に細分類する方法を用いて以下の解説を行う。


●Q4,6 ニコチン依存度の把握
 1日の喫煙本数と朝目覚めてから最初の1本を吸うまでの時間は、唾液中のコチニン濃度や呼気中の一酸化炭素濃度との相関が強く、これら2項目でニコチン依存度を簡易に判定することができます。また、これら2項目は、禁煙試行後の少なくとも1カ月間以上の禁煙継続率を予測する独立した要因であることが報告されています。1日喫煙本数が多いほど、また朝目覚めてから最初のたばこを吸う時間が短いほど、ニコチン依存度が高いと判定され、禁煙外来への誘導を行う上で参考となります。ニコチン依存度が高いと判断する目安として、1日喫煙本数が21本以上(特に31本以上)、朝目覚めてから最初の1本を吸うまでの時間が30分以内(特に5分以内)があげられます。


●Q9:禁煙経験の把握
 禁煙経験の有無とこれまで最も長い禁煙期間を把握します。禁煙経験がある人には、過去に用いた禁煙方法や出現した離脱症状の強さ、再喫煙のきっかけなどについて確認しておきましょう。今回の禁煙支援に役立つ情報を得ることができます。
●Q10:禁煙に対する自信
 禁煙に対する自信を0から100%の数値で把握します。「全く自信がない」を0%とし、「非常に自信がある」を100%とした場合の自信の程度を明らかにします。禁煙の自信が低い人には、禁煙治療や禁煙補助剤についての情報提供のほか、後述する問題解決カウンセリングにより禁煙の自信を高めます。

前へ 1 2 3 4 5 次へ 3/21
ページトップへ戻る