2.医療機関全体の取り組み

(1)体制整備のためのポイント
 禁煙治療を受けていない喫煙患者に対しても、日常の診療の中で禁煙支援(禁煙の準備性を高めたり、禁煙の自己効力感を高めること)を複数の職種の関わりの中で行うことが、患者のQOLの向上のためには望ましい。またこれにより、禁煙治療に踏み切る患者を増やすことにもつながる。そのためには、環境面、広報・掲示、支持の方法、職員の研修や職員の喫煙行動など、幅広い取り組みが必要となる。資料3に患者への禁煙支援を推めるための診療所・病院内で整備するポイントを例示した。


(2)禁煙支援シートの活用  −日常診療の中で−
 1)一般外来用
 禁煙支援は、短時間でも来院ごとに実施することが効果的である。資料4Aは、すべての初診患者に喫煙状況を尋ね、その中で現在喫煙中の患者、もしくは禁煙しているが1ヵ月以内に1本でも吸った患者に対し発行するシートである。毎回の介入ごとに記載できるよう、該当患者のカルテの前か後ろにはさむことで、リマインド(忘れずに毎回指導を実行するという意識)が担当医または担当看護師に生じる。
 リマインドをかけやすくする方法として、紙カルテであれば表紙に「禁煙支援対象者」を意味するハンコを押す、電子カルテであれば特記事項欄に「禁煙支援対象者」と入力するなどがあげられる。

2)外来から入院への連携
 資料4Bは、入院が決まった外来診療時に発行し、それに引き続いて入院当日と退院日に継続的な禁煙支援ができるようにするためのシートである。

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